X線CTスキャン

1、X線CT式3Dスキャン

物体の内部を可視化内部構造まで3次元CAD化
対象物のサイズ、材質等によりCT装置を選択

225kV出力 CT装置
■プラスチック、ゴム、樹脂類  250㎜×250㎜
■アルミニウム等軽金属    φ120㎜以下
■鋳造品、鋳鉄、スチール   φ10㎜~20㎜以下
■20μm (0.02) CADモデリング50μ(0.05)

450kV出力 CT装置
■プラスチック、ゴム、樹脂類  450㎜×800㎜
■アルミニウム等軽金属   φ200㎜以下
■鋳造品、鋳鉄、スチール   φ40㎜~50㎜以下
■20μm (0.02) CADモデリング50μ(0.05)

6MV出力 CT装置
■プラスチック、ゴム、樹脂類  300㎜×300㎜
■アルミニウム等軽金属   φ200㎜以下
■鋳造品、鋳鉄、スチール   φ200以下
■200μm (0.2) CADモデリング200μ

2、採取データから三次元CAD作成

■CTスキャンデータから面の集合体ポリゴン作成
■多角形のポリゴンメッシュから3DCAD作成
■3DCADモデリング、リバースモデルデータ作成
■表層だけのサーフェス及び中身詰まったソリッドデータ作成
■データ出力  IGES  Solid  STEP  STL

 

3、X線CT利用したリバースエンジニアリング

X線CT(コンピュータ断層撮影)スキャンは、内部構造を非破壊で観察し評価するために広く使われています。この技術は、医療分野での人体内部の診断に使われることが最もよく知られていますが、製造業や物づくりの分野でも非常に重要な役割を果たしています。

 

CTスキャン、医療用と工業用の違い

CTスキャンは医療分野だけでなく、工業分野でも利用されており、それぞれの用途によって異なる特性や要求仕様を持っています。


工業用CTスキャン

  1. 解像度:工業用CTスキャンでは、非常に高解像度のイメージが要求されることが多く、マイクロメートル単位での詳細が捉えられることがあります。
  2. 放射線量:工業用のスキャンでは物体に放射線を当てるため、放射線量の制限は比較的暖かいです。
  3. ソフトウェア:工業用CTスキャンのソフトウェアは、材料の欠陥や内部構造を詳細に視覚化することに注目しています。
  4. 対象物:工業用CTスキャンでは、金属、プラスチック、複合材料など、さまざまなタイプの材料と製品をスキャンすることが可能です。
内部構造を詳細に視覚化

医療用CTスキャン

  1. 解像度:医療用CTスキャンでは、比較的高解像度のイメージが必要とされますが、工業用に比べて最高解像度である必要はありません。
  2. 放射線量:医療用CTスキャンでは、患者に放射線量を考慮することが重要です。
  3. ソフトウェア:医療用CTスキャンのソフトウェアは、解剖構造を視覚変換、診断を支援するように設計されています。
  4. 認証:医療機器としての認証が必要です。

共通点

  1. テクノロジー:両方のタイプのCTスキャンはX線を利用しています。
  2. 断層撮影:両方のCTスキャンで、断層撮影が行われ、それらの画像が再構築されて3Dイメージが生成されます。

これらの違いと共通点を理解することで、それぞれのCTスキャンの特性と用途に関する観察を得ることができます。

CTスキャン

 

基本原理

医療用CTと同様に、X線源と検出器を用いて対象物の360度方向からX線透過像を取得し、コンピュータで再構成して3Dボリュームデータを生成します。

  • X線源:高出力。対象物に応じてマイクロフォーカス/ナノフォーカスを選択。

  • 検出器:フラットパネル式が主流。

  • 回転方式:通常、対象物が回転する方式(X線源と検出器は固定)。

<主な使用例>

  • 鋳造品・ダイカスト製品の検査:気泡、亀裂、鋳巣のチェック

  • プラスチック成形品の寸法測定:変形や収縮の評価

  • 複合材料(CFRPなど):内部の層構造、デラミネーション確認

  • 3Dプリント製品の検査:造形欠陥、寸法誤差の評価


CTスキャンのメリット デメリット

工業用CT(コンピュータ断層撮影)スキャンは、製品や部品の内部構造を非破壊的に調査するための強力なツールです。この技術のメリットとデメリットを以下に示します。

メリット

  1. 非破壊検査:
    • 製品を分解または破壊することなく、内部の欠陥や構造を詳細に確認できます。
  2. 高精度の測定:
    • 微細な内部構造まで高精度に測定でき、品質管理や研究開発に有効です。
  3. 3Dイメージング:
    • 3次元での視覚化が可能で、複雑な形状や内部構造の理解が容易になります。
  4. 多様な材料に適用可能:
    • 金属、プラスチック、複合材料など、様々な材料の検査に利用できます。
  5. 自動化と再現性:
    • 操作が自動化されているため、一貫した結果を得やすく、再現性が高いです。

デメリット

  1. 高コスト:
    • 設備自体が高価であり、運用コストも高いため、初期投資が大きくなります。
  2. 限られたサイズと重量:
    • スキャンできるサイズや重量に制限があるため、大きな製品や重い製品は対応が難しい場合があります。
  3. 操作の専門性:
    • 操作やデータ解析には専門的な知識が必要で、熟練したオペレーターが不可欠です。
  4. 放射線への曝露:
    • X線を使用するため、放射線管理や安全対策が必要です。
  5. 時間がかかる場合がある:
    • 高精度のスキャンには時間がかかることがあり、大量生産のプロセスには不向きな場合があります。

工業用CTスキャンは、その高度な機能により多くの利点を提供しますが、コストや操作の複雑さなどの側面も考慮する必要があります。導入する際は、これらの要因を総合的に評価することが重要です。


<事例>再現が難しい複雑な形状CAD化にCTスキャンの利用
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鋳造製精密部品
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