ＭＯＸ（Mixed Oxide）燃料は、核燃料として使用される一種の混合酸化物です。通常、ＭＯＸ燃料はウランとプルトニウムの酸化物の混合物で構成されており、ウランとプルトニウムの核燃料サイクルにおいて再処理プロセスを経て生成されます。

ＭＯＸ燃料の主な利点は、プルトニウムの再利用と核廃棄物の減少です。再処理プロセスにより、使用済みの核燃料からプルトニウムを回収し、新たなＭＯＸ燃料として使用することができます。これにより、プルトニウムのエネルギー資源としての価値を最大限に引き出すことができます。また、ウランとプルトニウム以外の成分は高レベル廃棄物として処理されますが、その量はウラン単独の核燃料よりも少なくなるため、核廃棄物の量を減らすことができます。

ＭＯＸ燃料は、一部の商業的な軽水炉や一部の実験炉で使用されています。しかし、使用済みＭＯＸ燃料の再処理とプルトニウムの再利用には高度な技術と施設が必要であり、安全性やセキュリティの面で注意が必要です。

なお、核エネルギーに関する問題は国や地域によって異なるため、ＭＯＸ燃料の利用状況や政策は国や地域によって異なる場合があります。