ドイツのV2ロケット

ドイツのV2ロケットは、第二次世界大戦末期にナチス・ドイツが開発した世界初の実用的な長距離弾道ミサイルです。正式名称は Vergeltungswaffe 2(報復兵器2号) で、1944年からロンドンやアントワープなどへの攻撃に使用されました。
V2ロケットは液体燃料を使い、発射後は大気圏上層まで上昇してから目標へ落下する仕組みでした。最高速度は音速を超え、当時の迎撃技術では飛来を防ぐことがほぼ不可能でした。全長は約14メートル、重量は約12トンで、約1トンの爆薬を搭載できました。
技術面では非常に先進的で、ジャイロによる姿勢制御、液体酸素とアルコール燃料のロケットエンジン、弾道飛行の考え方など、後の宇宙開発や大陸間弾道ミサイルの基礎となりました。一方で、その開発・生産には強制労働が使われ、多くの犠牲者を出した兵器でもあります。
戦後、V2ロケットの技術者や資料はアメリカ・ソ連に接収され、宇宙開発競争へ大きな影響を与えました。特にドイツの技術者ヴェルナー・フォン・ブラウンは、後にアメリカの宇宙開発に関わり、サターンVロケット開発にもつながっていきます。
つまりV2ロケットは、近代ロケット技術の出発点でありながら、戦争と強制労働の暗い歴史を背負った兵器といえます。
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