ハイブリット鋳造

ハイブリッド鋳造部品の3dスキャン

現物の形状データからのリバースエンジニアリング


「ハイブリッド鋳造(Hybrid Casting)」とは、異なる製造技術や材料を組み合わせて、鋳造品の性能や製造効率を向上させる手法のことです。以下にその概要と特徴を説明します。


🔧 ハイブリッド鋳造の定義

ハイブリッド鋳造とは、以下のような2つ以上の製造技術を組み合わせることで、製品性能や設計自由度を高める手法です。

  • 鋳造 + 鍛造

  • 鋳造 + 溶接

  • 鋳造 + 機械加工

  • 鋳造 + 3Dプリンティング(AM:Additive Manufacturing)

  • 異種材料(アルミと鋼など)の組み合わせ


💡 代表的な例と用途

組み合わせ 具体例 特徴・メリット
鋳造 + 鍛造 高強度部品(例:自動車のサスペンション部) 鍛造で強度を確保しつつ、鋳造で複雑形状を可能にする
鋳造 + AM(3Dプリンティング) 冷却チャンネル付きの金型部品 鋳造では難しい内部構造を造形できる
鋳造 + 異種金属接合 アルミと鋼の接合部材 軽量化と強度の両立が可能
鋳造 + 溶接 鋳造部品とパイプの接合 製品の大型化や構造最適化が可能

🎯 メリット

  • コスト削減:高性能な部位のみ高価な工法を適用できる

  • 性能向上:局所的な強度や耐熱性などを確保

  • 設計の自由度:従来の鋳造だけでは難しい複雑構造が実現可能


⚠️ 課題

  • 材料間の熱膨張差接合強度の確保

  • 製造プロセスが複雑になり、品質管理が難化

  • 接合部の信頼性評価(疲労、腐食など)が必要


🔬 応用分野

  • 自動車(軽量化と高強度化)

  • 航空宇宙(高温部品の複合構造)

  • 医療機器(チタン・セラミックの複合構造)

  • 金型・機械工具(冷却構造を組み込んだ鋳型)

 

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