金型置き駒構造

置き駒の3dスキャン

現物から金型構成部品のリバースエンジニアリング

 


▶ 金型における「置き駒構造」

● 定義:

「置き駒構造」、金型の一部に交換可能な部品(駒)を設ける構造。これにより、製品形状の一部変更や摩耗部位の交換を効率的に行えるようにしたものです。


▶ 目的とメリット

項目 内容
製品バリエーション対応 形状の一部が異なる製品に対応するため、該当箇所のみ駒を交換して使い分ける。
コスト削減 金型全体を作り直さずに済むため、変更・修理コストが低減される。
メンテナンス性 摩耗や破損が発生しやすい部分だけを取り外して交換できる。
リードタイム短縮 改修が簡単になるため、納期短縮につながる。

▶ 例:置き駒の使用例

  1. 刻印の違い:製品番号やロゴなどが異なる場合、その部分だけ置き駒にして切り替える。

  2. 可動部の保護:ピンやコア部など、摩耗しやすい部位を置き駒として独立させる。

  3. 樹脂流路の変更:ゲート形状の調整や樹脂の流し方を変える際、該当部分を置き駒で変更可能にする。


▶ 関連用語

用語 説明
インサート 金型内に組み込まれる、交換可能な小部品(置き駒の一種)。
可換構造 複数種類の置き駒を簡単に交換できるよう設計された構造。
モジュール化 金型構成部品を分割・標準化して、部品交換・変更を簡素化する設計方針。


▶ まとめ

置き駒構造は、金型の一部を「交換可能に設計する技術」です。生産性や保守性、コスト効率を高めるために広く活用されており、製品バリエーション対応や修理交換において非常に重要な概念です。

トップページ