金型鋳造の種類

金型鋳造型の３ｄスキャン例

現物の型からのリバースエンジニアリング

金型鋳造、金属を高温で溶かして金型（鋼や耐熱合金で作られた型）に流し込み、成形する鋳造方法の一つです。精密な形状・高い寸法精度・大量生産に適しているという特長があります。金型鋳造にはいくつかの種類があり、以下のように分類されます。

🔧 金型鋳造の主な種類

1. 重力金型鋳造（グラビティ・ダイカスト）

  • 特徴：溶けた金属を重力の力だけで金型に流し込む方法。

  • 長所：気泡や欠陥が少なく、機械的性質に優れる。

  • 用途：アルミホイール、エンジン部品など。

2. 高圧ダイカスト（高圧鋳造）

  • 特徴：溶融金属を高圧で金型に射出する方式。一般的に「ダイカスト」と言えばこれを指す。

  • 長所：高速・大量生産に向く。複雑な形状も対応可能。

  • 短所：気泡が入りやすく、溶接には不向き。

  • 用途：自動車部品（エンジンハウジング、トランスミッションケースなど）、家電部品。

3. 低圧金型鋳造

  • 特徴：密閉されたるつぼから、低圧の空気圧で金型に金属を押し上げて充填。

  • 長所：内部品質が良好で、肉厚な製品に適する。

  • 用途：自動車ホイール、シリンダーヘッドなど。

4. 真空ダイカスト（Vacuum Die Casting）

  • 特徴：型内を真空状態にしてから鋳造する方法。

  • 長所：気泡や欠陥が少なく、高強度な部品が可能。

  • 用途：自動車の高品質部品（構造部材など）。

5. スクイズキャスト（Squeeze Casting）

  • 特徴：金属が固まり始めた直後に金型で高圧を加える方法。

  • 長所：鍛造に近い強度が得られる。

  • 用途：サスペンション部品、エンジン部品。

🔍 その他の特殊な金型鋳造法

  • 半固体金型鋳造（セミソリッドキャスティング）
    ⇒ 金属を部分的に固化させた状態で鋳造。精密で高強度な部品が可能。

  • チクソモールディング（Thixomolding）
    ⇒ 主にマグネシウム合金で用いられる。セミソリッド状態で射出成形。

 

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