電子機器ハウジングの3dスキャン例

電子機器ハウジング(Electronic Device Housing)とは、電子機器やコンポーネントを物理的に保護する外部ケースや構造のことを言います。このハウジングは機器を環境配慮(水、塵、衝撃など)や電気のノイズから保護し、内部の部品が正しく機能するように設計されています。

主な機能

物理的保護: 外部からの物理的なダメージから保護する。

環境対策:水や汚れ、温度など環境配慮から機器を保護する。

電気的保護:電磁干渉(EMI)や静放電(ESD)などから保護する。

熱の管理: 熱の発生を効率よく分散させる設計がなされていることもある。

操作性・オープン性: 必要に応じて操作パネルやインターフェースが設けられる。

審美性:見た目やデザインも商品としての魅力に影響する。


主な材料

プラスチック:軽量で加工が容易。一般的に低コスト。

金属:強度が高く耐久性。熱伝導性も良い。

セラミック:高温や特殊な装置に利用される。


✅ 筐体のポイント

耐熱・耐電圧・防水を兼ね備えたセラミック筐体を設計・選定する際に注意すべき点です。

  1. 材質選び

    • アルミナ(Al₂O₃)、ジルコニア(ZrO₂)、シリカ系、スピネルなど、耐熱・耐電圧特性が良いものを使用。

    • 熱膨張係数、機械強度、クラック耐性を確認。

  2. 形状/表面構造

    • フィン構造などで表面積を増やし、熱を効率よく放散。

    • 表面に溝を設けてクリープ距離を確保し、表面の汚れや水によるリークを防止。

    • 継ぎ目・接合部は最小限かつ、シール構造とする。

  3. シーリング・接合技術

    • 接合部(セラミック‐金属、または複数のセラミック部品)のシール性を確保。ガスケット、Oリング、耐熱エポキシ、耐熱セラミック接着剤などの利用。

    • メタライゼーション(セラミックに金属の端子や導体を密着させる技術)が必要な場合、防水・耐電圧保持のための密封処理を伴う。

  4. 耐電圧設計

    • 必要な定格電圧に対して十分なクリープ距離とリークパスの確保。

    • 耐電界強度、絶縁破壊強度を材質データで確認。

    • 試験(パルス、過渡現象、部分放電など)で安全裕度を持たせる。

  5. 耐熱設計

    • 使用環境の温度範囲を特定(例:−40℃〜+150℃、さらにはそれ以上)

    • 周囲からの熱負荷や発熱源の近さを考慮。セラミックの熱伝導率が適切か。

    • 加熱‐冷却サイクルや熱衝撃に対する耐性。

  6. 防水・環境耐性

    • IP等級(例 IP65, IP67, IP68など)を念頭に置き、外殻の密閉性を確保。ネジ穴、取り付け部、ケーブル通過部などのシール。

    • 湿気・結露・腐食性ガスなどの影響を受ける環境なら、表面コーティングや保護膜を追加。

湿気・結露・腐食性ガスなどの影響を受ける環境、表面コーティングや保護膜をした筐体

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