CT式スキャンの原理

CT式スキャンの原理

対象物にX線を多方向から照射し、その透過量の違いをもとに内部構造を断層画像として再構成することです。


基本の流れです。

  1. X線を照射する
    X線源から対象物に向けてX線を当てます。
  2. 透過したX線を検出する
    対象物の材質や厚みが違うと、X線の通りやすさが変わります。
    たとえば、密度が高い部分や厚い部分はX線が通りにくく、逆に空洞や軽い材料は通りやすくなります。
  3. 対象物を回転させながら多数のデータを取得する
    1方向だけでは内部形状は分からないため、対象物を回転させて、さまざまな角度から透過データを集めます。
  4. コンピュータで断面画像を再構成する
    集めた透過データを計算処理して、対象物の内部断面を画像化します。
    この断面画像を積み重ねることで、内部の3次元構造も可視化できます。

工業用CTで見える代表例は次のようなものです。

鋳造品の巣・気泡・割れ
CTスキャンは、鋳造品の内部に発生する巣・気泡・割れを非破壊で確認できる検査技術です。X線を多方向から照射し、内部構造を3Dデータ化することで、外観からは見えない欠陥の位置・大きさ・分布を可視化できます。鋳巣やブローホール、内部クラックの検出に有効で、品質保証、強度評価、不良原因の分析、鋳造条件の改善に活用されます。特に複雑形状や重要保安部品では、切断せずに内部品質を確認できる点が大きな利点です。


樹脂成形品の肉厚分布・収縮・変形
樹脂成形品の肉厚分布・収縮・変形を非破壊で詳細に評価できる技術です。製品内部まで含めた3D形状を取得できるため、肉厚の偏り、冷却時の収縮差、反りやねじれなどの変形を可視化できます。さらに、設計CADデータや基準形状と比較することで、寸法偏差や変形量を定量的に把握でき、不良原因の解析や金型修正、成形条件の最適化に役立ちます。試作評価から量産品質管理まで幅広く活用される有効な検査手法です。


複合材の内部剥離
CFRPやGFRPなどの複合材に発生する内部剥離(デラミネーション)を、切断せずに確認できる非破壊検査技術です。X線を用いて内部構造を3Dデータ化することで、層間の剥がれ、空隙、亀裂、繊維配向の乱れなどを可視化できます。外観では判断しにくい損傷の位置・範囲・深さを把握できるため、航空宇宙、自動車、スポーツ用品、産業部品などの品質保証や強度評価、不良原因の解析に有効です。製造条件の改善や補修判断にも役立ちます。


組立品の内部干渉や位置ずれつまりCT式スキャンは、「壊さずに内部を見える化する非破壊検査技術」
といえます。簡単に言うと、X線透過画像をたくさん集めて、コンピュータで断面と3D形状を作る方式です。

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