既存製品の形状データから設計情報得る

リバーエンジニアリングのプロセスステップ

既存製品の形状データを取得し、そこから設計情報を読み解くリバースエンジニアリングは、図面が残っていない部品の復元や、製品改良、保守部品の再製作に有効な技術です。3Dスキャンや非接触測定によって現物の形状を点群データとして取得し、メッシュ化、CAD化を行うことで、寸法・曲面・穴位置・R形状・勾配・基準面などの情報を確認できます。


単に外形をコピーするのではなく、形状データから「なぜこの寸法なのか」「どの面が基準なのか」「どこに機能上重要な精度が必要なのか」を分析することが重要です。摩耗や変形がある製品では、現状形状と本来の設計形状を見極めながら、平面・円筒・フィレット・対称性などを再構築します。これにより、製造や加工に使いやすい実用的な3D CADデータを作成できます。


既存製品の形状データ解析は、金型、機械部品、自動車部品、鋳造品、樹脂成形品、保守部品など幅広い分野で活用されています。図面紛失品の再設計、海外製部品の国内製作、老朽部品の改良、品質検査、追加工検討など、製造現場のさまざまな課題解決につながります。


当社では、3D計測から点群処理、メッシュ編集、CADモデリング、形状比較まで一貫して対応します。既存製品の形状データから設計情報を抽出し、製造・検査・改良に活用できる高品質なデジタルデータをご提供します。図面がない部品や、現物から設計情報を得たい製品についてもお気軽にご相談ください。


 

目的の定義
製造方法や動作原理
情報収集
公に利用可能な情報
部品の分解
既存製品を再び生産
目的の定義 情報収集 部品の分解
分析
動作構造を分析
ドキュメント化
技術的負債の解消
再設計/修正
形状.強度.機能評価
動作構造を分析 技術的負債の解消 機能評価

リバースエンジニアリングさまざまな理由で行われることがありますが、一般的には、知識の欠如、競合分析、セキュリティ評価、教育の目的などで行われることが多いです。ただし、法的、倫理的に問題となる場合もあるため、行う前に法的な側面やライセンス条項を確認することが重要です。

👉 「なぜこの形・この寸法なのか?」を説明できる状態がゴールです。

寸法・公差,幾何公差 機能要求,強度,精度,流体 規格法規,JIS / ISO / CE 
寸法・公差,幾何公差 機能要求,強度,精度,流体 規格法規,JIS / ISO / CE
互換製品の開発,共通仕様 使用環境・寿命条件, 特許規格の調査,規格調査
互換製品の開発,共通仕様 使用環境・寿命条件 特許規格の調査,規格調査

事例

① 図面・CADデータが存在しない/使えないとき

古い設備や金型では、製作時の図面やCADデータが保存されていない、または担当者の退職・保管場所の変更などで紛失しているケースがあります。図面がないままでは、摩耗部品の再製作、破損箇所の修理、改造、予備品の確保が難しくなります。こうした課題には、現物を3Dスキャンして形状をデジタル化し、点群データやポリゴンメッシュをもとにCADデータへ再構築する方法が有効です。基準面・穴位置・寸法を確認しながら設計データとして整備することで、設備保全や金型修理、将来の再製作に役立つデジタル資産として残せます。

👉3Dスキャン → 点群 → メッシュ → 設計用CADで再構築

図面が紛失してCADデータがない、現物からCAD化 老朽化した金型の修理補修のため、現物からCAD化
現物からCAD化 老朽化した金型

② 老朽化・摩耗部品の修理/再製作

老朽化や摩耗が進んだ設備部品・金型部品は、寸法変化や欠け、変形によって性能低下や品質不良、突発停止の原因になります。しかし古い設備ではメーカー供給が終了していることも多く、代替品が見つからない場合もあります。そこで現物を3Dスキャンし、摩耗前の形状や機能寸法を推定しながらCADデータとして再構築します。必要に応じて肉盛り補修、加工、材質変更、強度改善などを行うことで、部品の修理や再製作が可能になります。図面のない部品でもデジタル化しておけば、将来の保守や予備品製作にも役立ちます。

  • 金型キャビティ・コアの摩耗・欠け

  • 交換部品が廃番

  • 寸法基準が曖昧な現合品

👉 摩耗前形状の推定、肉盛り修正用CADの作成

肉盛り溶接
→スキャニング/完全再製作
機能面・当たり面・R形状を重点取得 図面や基準寸法がなく再製作すると合わない
肉盛り溶接→スキャニング/完全再製作 機能面・当たり面・R形状を重点取得 図面や基準寸法がなく再製作すると合わない

③ 海外製・他社製品を自社ラインに適合させたい

海外製・他社製品を既存の自社ラインへ導入する際は、取付寸法、接続部、干渉、動作範囲、制御機器との連携などを事前に確認する必要があります。図面が十分に入手できない場合でも、現物を3Dスキャンして周辺設備を含めた形状をデジタル化すれば、CAD上で適合性を検証できます。取付ブラケットや変換アダプター、配管・配線経路なども設計しやすくなり、現場での手戻りを抑えられます。既存設備との干渉確認や寸法調整を行うことで、海外製・他社製品を自社ラインへ円滑に組み込むための判断材料として活用できます。

  • 規格(JIS/ISO)差異

  • 材料・公差が国内基準に合わない

  • メンテ性・量産性を改善したい

👉 形状は踏襲、設計思想は再設計

図面や基準寸法がなく再製作すると合わない 海外金型・部品を国内金型に組み込む際に問題 リバースエンジニアリングで設計再定義
図面や基準寸法がなく再製作すると合わない 海外金型・部品を国内金型に組み込む際に問題 リバースエンジニアリングで設計再定義

④ 品質問題・不具合の原因解析

品質問題や不具合が発生した際は、現物の形状・寸法を正確に把握し、設計値や正常品と比較することが原因解析の第一歩です。3Dスキャンを活用すれば、摩耗、変形、反り、欠損、組付けずれなどを非接触でデジタル化し、CADデータや基準モデルとの偏差を可視化できます。干渉箇所や寸法ばらつき、組立状態の違いを数値で確認できるため、感覚的な判断に頼らない解析が可能です。原因の特定後は、形状修正、加工条件の見直し、部品交換、金型補修などの対策へつなげられ、再発防止と品質安定化に役立ちます。

👉 CADとの差分解析/CTスキャン解析で原因特定

反りを面で捉え問題箇所と視覚的に理解 収縮パターンの傾向を読み取る成形原因特定 目視できない欠陥検出できる非破壊検査法
反りを面で捉え問題箇所と視覚的に理解 収縮パターンの傾向を読み取る成形原因特定 目視できない欠陥検出できる非破壊検査法

⑤ 設計改善・軽量化・性能向上をしたい

既存製品や部品の設計改善、軽量化、性能向上を進める際は、現物形状を正確に把握したうえで課題を整理することが重要です。3Dスキャンによって部品をデジタル化し、CAD上で肉厚、リブ形状、取付位置、干渉箇所、空間の余裕などを確認すれば、無駄な材料や過剰な構造を見直しやすくなります。軽量化では必要な強度や剛性を確保しながら形状を最適化し、性能向上では流路、可動部、放熱部、組付け性などを改善できます。現物ベースで設計データを再構築することで、改良案の比較検討や試作、解析、再設計を効率よく進められます。

軽量化,構造の最適化 冷却流路改善,熱効率的 CAE,計算機援用工学
軽量化,構造の最適化 冷却流路改善,熱効率的 CAE,計算機援用工学

⑥ デジタル化・DX(デジタルツイン)対応

設備や金型をデジタル化することは、保全・改善・技術継承を支えるDXの基盤になります。現物を3Dスキャンして形状を取得し、点群データやCADデータとして整備することで、図面がない設備でもデジタル資産として管理できます。さらに、実機の形状・寸法・稼働情報を組み合わせれば、現場の状態を仮想空間で確認するデジタルツインへの展開も可能です。摩耗や変形の比較、干渉確認、修理計画、部品再製作、レイアウト検討などを事前に行えるため、停止時間や手戻りの削減に役立ちます。属人化しやすい現場知識を残し、継続的な設備改善につなげる取り組みです。


リバースエンジニアリングは「コピー」ではない

 

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