箔押し金型

箔押し金型の3dスキャン例

金型の現物から加工データ作成に利用


 

「箔押し金型(はくおしきんがた)」は、印刷や加飾の工程で使用される金型の一種で、主に「箔押し加工(ホットスタンプ加工)」に使われます。以下で詳しく説明します。


■ 箔押し金型とは?

箔押し金型は、金属製の凸状の型で、ホットスタンプ(熱と圧力を利用して、箔フィルムを紙やプラスチックなどの素材に転写する技術)に使用されます。金型の模様や文字が、箔を通じて素材に転写され、美しい金属光沢の仕上がりになります。


■ 箔押しの基本構造

加工の基本要素:

  1. 金型(凸型)
     模様や文字を彫刻した金属の型(黄銅、マグネシウム、スチールなど)

  2. 箔(ホイル)
     アルミなどの薄い金属を蒸着させたフィルム。金色や銀色などがある。

  3. 被加工物
     紙、革、プラスチック、布など。名刺、パッケージ、表紙などに多用される。

  4. 熱と圧力
     加熱された金型で箔を押し付け、素材に転写させる。


■ 箔押し金型の種類

種類 特徴 用途
黄銅(ブラス)金型 高精度・高耐久性 長寿命で精密なデザイン、商業印刷向け
マグネシウム金型 安価で短納期、耐久性低め 小ロットや試作向け
スチール金型 非常に高耐久、彫刻が難しい 長寿命が必要な工業用途

■ 箔押し金型の加工方法

  • エッチング(腐食加工)
     写真原稿から化学的に彫刻する方法。マグネシウムや黄銅に使われる。

  • NC彫刻・レーザー彫刻
     CADデータを元にCNCやレーザーで直接彫る。高精度で自由度が高い。


■ 箔押し金型の用途例

  • 高級パッケージ(化粧品、菓子など)

  • 書籍の表紙(特に豪華本)

  • 名刺や招待状

  • 革製品(財布、ベルト)

  • 文房具やカード類


■ メリット・デメリット

メリット:

  • 高級感のある仕上がり

  • 光沢や立体感が出せる

  • 耐摩耗性が高く長持ち

デメリット:

  • 初期コストが高め(特に金型作成)

  • 細かい調整が必要(温度、圧力、時間)

  • 材質によっては箔が乗りにくい

 

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