箔押し金型
箔押し金型の3dスキャン例
金型の現物から加工データ作成に利用
「箔押し金型(はくおしきんがた)」は、印刷や加飾の工程で使用される金型の一種で、主に「箔押し加工(ホットスタンプ加工)」に使われます。以下で詳しく説明します。
■ 箔押し金型とは?
箔押し金型は、金属製の凸状の型で、ホットスタンプ(熱と圧力を利用して、箔フィルムを紙やプラスチックなどの素材に転写する技術)に使用されます。金型の模様や文字が、箔を通じて素材に転写され、美しい金属光沢の仕上がりになります。
■ 箔押しの基本構造
加工の基本要素:
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金型(凸型)
模様や文字を彫刻した金属の型(黄銅、マグネシウム、スチールなど) -
箔(ホイル)
アルミなどの薄い金属を蒸着させたフィルム。金色や銀色などがある。 -
被加工物
紙、革、プラスチック、布など。名刺、パッケージ、表紙などに多用される。 -
熱と圧力
加熱された金型で箔を押し付け、素材に転写させる。
■ 箔押し金型の種類
種類 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
黄銅(ブラス)金型 | 高精度・高耐久性 | 長寿命で精密なデザイン、商業印刷向け |
マグネシウム金型 | 安価で短納期、耐久性低め | 小ロットや試作向け |
スチール金型 | 非常に高耐久、彫刻が難しい | 長寿命が必要な工業用途 |
■ 箔押し金型の加工方法
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エッチング(腐食加工)
写真原稿から化学的に彫刻する方法。マグネシウムや黄銅に使われる。 -
NC彫刻・レーザー彫刻
CADデータを元にCNCやレーザーで直接彫る。高精度で自由度が高い。
■ 箔押し金型の用途例
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高級パッケージ(化粧品、菓子など)
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書籍の表紙(特に豪華本)
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名刺や招待状
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革製品(財布、ベルト)
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文房具やカード類
■ メリット・デメリット
メリット:
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高級感のある仕上がり
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光沢や立体感が出せる
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耐摩耗性が高く長持ち
デメリット:
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初期コストが高め(特に金型作成)
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細かい調整が必要(温度、圧力、時間)
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材質によっては箔が乗りにくい
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