精密鋳造法
精密鋳造部品の3dスキャン
工業用部品の現物形状データからリバースエンジニアリング
精密鋳造法、英: investment casting または lost-wax casting、高い寸法精度や表面仕上げが求められる金属部品を製造するための鋳造方法の一つです。古くからある技術で、現在でも航空機部品、医療器具、工業用部品、美術品など幅広い分野で使われています。
🔧 精密鋳造法のプロセス
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ワックス模型(ろう型)の製作
最初に、完成品と同じ形状のワックス製の模型を作ります。 -
ツリーの組み立て
複数のワックス模型を一つのランナー(湯口)につけて「ツリー状」にまとめます。 -
セラミックコーティング
ツリー全体を耐火性のあるセラミックスラリーに何度も浸して乾燥させ、硬化させます。これにより強固な鋳型(シェル)が形成されます。 -
脱ろう(ワックスの除去)
加熱して内部のワックスを溶かして除去します。ここから「ロストワックス(失われたろう)」という名前が来ています。 -
鋳込み(鋳造)
できあがった空洞に溶けた金属を流し込みます。高温で鋳造されるため、耐熱性の高い鋳型が必要です。 -
鋳型の破壊・取り出し
金属が冷えて固まった後、セラミックの鋳型を壊して金属製品を取り出します。 -
仕上げ
切断、研磨、検査などの仕上げ加工を行います。
✅ 精密鋳造法の特徴・メリット
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高精度・高品質の製品が得られる(寸法精度が高く、表面が滑らか)
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複雑な形状の部品が一体で製作可能
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機械加工を最小限に抑えられる
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合金など高融点金属にも対応可能
❗デメリット
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工程が多く手間がかかる
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製造コストが高め
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大量生産にはあまり向かない(小ロット向き)
用途例
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航空機のタービンブレード
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医療用インプラント(人工関節など)
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工業用バルブ・ポンプ部品
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芸術品(ブロンズ像など)
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