レーザー式スキャンの原理

レーザー光を対象物に照射し、その反射光から距離を求め、表面の3次元座標を連続的に取得することです。取得した多数の点は点群データとなり、そこから形状確認、寸法測定、メッシュ化、CAD化へつながります。
基本の流れは次のようになります。
①レーザーを照射 → ②対象物で反射 → ③受光センサーで反射光を検出 → ④距離を計算 → ⑤スキャナ角度情報と組み合わせて3D座標化、という流れです。これを高速に繰り返して、物体表面を面としてではなく、まずは大量の点の集まりとして記録します。
代表的な原理は3つあります。
三角測量方式は、レーザーの照射位置と受光センサーの位置関係が既知であることを利用し、反射光がセンサー上のどこに入ったかから距離を求める方式です。近距離で高精度に強く、機械部品や精密形状の計測によく使われます。
ToF(Time of Flight:飛行時間)方式は、レーザーパルスを発射して、反射して戻るまでの時間を測り、光の速度から距離を計算する方式です。広範囲・大物・遠距離の計測に向いており、建築、設備、地形、プラントの計測などで使われます。
位相差方式は、連続的に変調したレーザー光を使い、送信波と反射波の位相のずれから距離を求める方式です。ToFより高密度・高速に測れる場面があり、比較的高精細な点群取得に向きます。
工業用途で見ると、
小型部品・精密部品 → 三角測量方式、
大型設備・建屋・配管群 → ToF方式、
広範囲を比較的高密度に取得 → 位相差方式、
という使い分けが基本です。これは各方式の「精度」「距離」「取得速度」のバランスが異なるためです。
注意点として、レーザー式スキャンは表面しか直接取れないため、内部欠陥の観察には向きません。また、鏡面・黒色・透明体は反射条件が厳しく、ノイズや欠測が出やすいです。複雑形状では死角も発生するため、複数方向からのスキャン合成が必要になります。これはレーザー式が「反射光を使って表面位置を求める」方式だからです。