3Dスキャニングサービスの利用

3Dスキャニングサービスを利用する際は、「何を測るか」よりも「何に使うデータか」を先に決めることが重要です。用途が曖昧だと、点群・メッシュは取得できても、後工程で使いにくいデータになる場合があります。
3Dスキャニングサービスの注意点
1. 目的を明確にする
3Dプリンタ用、検査用、リバースエンジニアリング用、図面復元用では必要なデータ精度や形式が異なります。
「見た目の形状が欲しい」のか、「設計用CADデータが欲しい」のかを事前に確認します。
2. 対象物の材質・表面状態
鏡面、黒色、透明、光沢のある部品はスキャンが難しい場合があります。
必要に応じてマットスプレー処理や治具固定が必要になります。
3. 精度と解像度の確認
高精度なスキャンほど費用や作業時間が増えます。
必要以上の精度を求めるとコストが上がるため、使用目的に合った精度設定が大切です。
4. 死角・裏面・内部形状
通常の光学式・レーザー式スキャンでは、見えない部分や奥まった形状は取得できません。
内部構造が必要な場合は、工業用CTスキャンなど別方式の検討が必要です。
5. データ形式の確認
納品形式は事前に確認します。
代表的には、STL、OBJ、PLY、STEP、IGES、Parasolidなどがあります。
ただし、STLはポリゴンデータであり、設計変更しやすいCADデータとは異なります。
6. CAD化の範囲
スキャンデータをそのままCADに変換しても、設計意図のあるきれいなCADにはなりません。
平面、円筒、R、穴位置、基準面などを整理して再モデリングする工程が必要です。
7. 寸法公差への対応
スキャンデータは現物形状を取得するため、摩耗・変形・キズ・欠けもそのまま反映されます。
製作図面として使う場合は、補正や設計値への置き換えが必要です。
8. 知的財産権への注意
既製品や他社製品をスキャンする場合、特許・意匠・著作権・商標・契約条件に注意が必要です。
保守、修理、互換性確認、品質改善など正当な目的かどうかを確認します。
9. 見積範囲の確認
スキャンだけなのか、ノイズ除去、穴埋め、メッシュ修正、CAD化、検査レポート作成まで含むのかを確認します。
同じ「3Dスキャン」でも、作業範囲によって価格が大きく変わります。
10. 納品後の使いやすさ
最終的に使用するCAD/CAM/CAE/3Dプリンタソフトで読み込めるか確認します。
データが重すぎる、面が荒い、寸法基準がない、といった問題が出る場合があります。
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