すべり軸受と転がり軸受

軸受部品の3dスキャン

現物部品のデータから3次元CAD作成


 

「すべり軸受」と「転がり軸受」は、機械の回転部分(軸)を支えるための**軸受(じくうけ)**の2大分類です。それぞれ構造や特性が異なり、用途によって使い分けられます。


🌟1. すべり軸受(Plain bearing / Journal bearing)

🔧 構造

  • 軸がすべり運動をしながら軸受内部で回転。

  • 軸と軸受の間に**油膜(潤滑油)**を介して摩擦を低減。

  • ボールやローラーなどの「転がり要素」はなし。

🟢 特徴

特徴 内容
静音性 音が非常に静か。
耐久性 適切な潤滑があれば長寿命。
高速回転 高速回転に適する(油膜による安定性)。
自己調整性 軸のわずかなズレを吸収しやすい。

🔴 欠点

  • 起動時の摩擦が大きめ(油膜形成前)。

  • 潤滑が不十分だと焼き付きやすい。

  • 精密加工が必要な場合が多い。

🧰 主な用途

  • 自動車エンジンのクランクシャフト

  • 発電機のタービン軸

  • コンプレッサーなどの高回転機械


⚙️2. 転がり軸受(Rolling bearing)

🔧 構造

  • 軸と外輪の間に**ボール(玉)やローラー(円筒など)**があり、それが転がることで回転を支える。

  • 転がり摩擦によって摩擦損失が小さい。

🟢 特徴

特徴 内容
摩擦小 始動時から低摩擦。
簡易取り扱い 組み込みや交換が簡単。
サイズ多様 各種標準サイズが豊富。
潤滑も比較的容易 グリース封入タイプも多い。

🔴 欠点

  • 高速回転には限界(転がり体の遠心力増大)。

  • 騒音が出やすい。

  • 衝撃荷重に弱い場合がある。

🧰 主な用途

  • 自転車の車輪

  • 電動工具

  • 家電製品(モーターなど)

  • ロボットの関節部


🔄 まとめ表

項目 すべり軸受 転がり軸受
摩擦形式 すべり摩擦 転がり摩擦
構造 シンプル(軸+軸受+潤滑) 転がり体(ボール/ローラー)あり
摩擦 高い(特に起動時) 低い
騒音 静か やや大きい
高速回転 得意 苦手(限界あり)
衝撃荷重 比較的強い 弱い場合がある
メンテナンス 潤滑管理が重要 交換しやすい
コスト 高価な場合が多い 安価なものも多い

 

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