ものづくりの状況について

変わる在庫の持ち方
製造業の企業の在庫の持ち方が変わってきているようです。
供給網が寸断されなように予め複数の拠点で部品を生産する、在庫を予め多めに積んでおくなどの取り組みが始まってきています。
供給網の混乱を未然に防ぐために、アジア地域のものづくりは東南アジアなどに生産拠点の分散化が進んでいます。
半導体関連の先端品を製造する台湾のメーカーなども南アジア、東南アジアの国に生産拠点を分散化する取り組みが見られるといいます。
ただ、こうした製造業の中でも最先端品の製造は機密情報を守るために母国で生産するケースも、
台湾や日本などのメーカーでは見られるようです。
コロナ禍においての在庫の持ち方はジャストインタイム生産方式からの脱却が目立っています。
コロナ禍で半導体の懸念が製造業を主としてありましたが、足元では半導体在庫の状況は逼迫から若干の改善に向かっているといいます。
予断は許されませんが、自動車や家電、ゲーム機などの生産巻き返しが進むことを期待したいです。

強い円安の基調
2022年10月中旬執筆現在、入国時の水際対策の緩和で、訪日客がまた増えています。
ドル等を日本円に替えて買い物を楽しむ外国人訪日客が増えてインバウンド消費増が見込まれます。
ブランド品やユニクロなどのファストファッション、中古ゲームや日本食など訪日客のニーズは様々なようです。
製造業では日本で生産して輸出する輸出系企業には短期的には円安が業績の上振れ要因となるようでしたが、
長期化していけばいくほど燃料や原材料など輸入品目のコスト増となるようです。
製造業企業の業績の評価や状況を見る経営者には難しい面もあると考えられます。

ものづくりの脱炭素化へ向けての取り組み
トヨタ自動車など自動車製造メーカーが脱炭素化の準備に向けた取り組みを進めています。
まずは、様々な製造工程で各々排出されるCO2の量を算出する取り組みからスタートしています。
CO2排出量を製造工程で見える化することで、具体的なCO2削減できる事例を導き出していく基盤となると考えられます。
トヨタの自社工場における脱炭素化は2035年までとする目標であるといいます。
ただし、製造過程の段階から廃車に至るまでのトータルでの脱炭素化は2050年までとする目標となっているといいます。