スパコンを日本国産生成AI開発に活用

2023年5月下旬、スーパーコンピュータ富岳を国産の生成AI開発に活用することが報じられました。
生成AIの国産化は識者の間で求める声があったため、それに対応したものと考えられます。
基本的には大規模言語モデルと呼ばれる生成AIのデータの学習においてはGPUと呼ばれる画像処理半導体が活用されるのが一般的です。
国産AIの開発に富岳が使われるということは、GPUの代わりに富岳のCPUを活用することになるようです。
富岳を活用した国産生成AIのデータ学習は、基本日本語のテキストを学習し、日本語のみでの回答をAIに実行させることを想定している模様です。
その分多言語対応で構築する生成AIより、学習させるデータの容量は日本語のみに限定することで規模を抑えることができるようです。
その上で回答精度の向上を目指すものと考えられます。

スーパーコンピュータ富岳について
「富岳(ふがく)は理化学研究所の「京」の後継となる、
日本のスーパーコンピュータです。
2014年(平成26年)に開発が始まり、2020年(令和2年)より試行運用され、
2021年(令和3年)に本格稼働しました。
設置場所は兵庫県神戸市・ポートアイランドの理化学研究所計算科学研究センターです。
主要ベンダーは富士通です。

スパコン富岳のハードウェアについて
「富岳」は富士通が開発したCPUであるA64FXを搭載しています。
このCPUは、フロントエンドをARMv8.2-Aベースに新たな拡張であるSVE(Scalable Vector Extension)を追加したものとして、
バイナリレベルでARMとの互換がとられた一方、マイクロアーキテクチャは「京」でも使用された富士通製SPARC64の構造を踏襲しています。
「富岳」は「京」の約100倍の性能と、世界最高水準の実用性を目指しています。
「富岳」は富士通独自のTofu Interconnect Dを使用して結合された158,976個のA64FXを使用しています。」
(「」、富岳 スーパーコンピュータ、ハードウェア Wikipediaより引用)