二酸化炭素の回収が進んでいく

脱炭素で注目される技術Direct Air Capture
「直接空気回収技術(Direct Air Capture)は二酸化炭素CO2を大気中から直接回収する技術のことです。
工場や発電所などの点源の排出源からCO2を分離回収するのではなく、
大気中にすでに薄く拡散してしまったCO2を大気から直接取り除く技術です。
回収したCO2は別途利用したり、地下廃棄などする必要があります。」
(「」、 直接空気回収技術 Wikipediaより引用)

脱炭素の取り組みにDAC、Direct Air Captureと呼ぶ技術を活用する事業が欧米で始まろうとしています。
空気を回収して空気中の二酸化炭素を吸収し、
貯留して廃棄・活用(地下に埋設するか、燃料として再活用)する事業です。
背景には欧州でロシアからの天然ガスが手に入らないエネルギー危機がありそうです。
石炭による火力発電が再稼働するなどの排出を埋める対策をとったものとも考えられます。
電力のインフラが再生可能エネルギーを主力電源として賄えるようになっていくまではさまざまな現実解と創意工夫が必要なようです。

二酸化炭素回収・利用・貯留CCUS
CCUSとはCarbon dioxide Capture Utilization and Storageの略です。
二酸化炭素を多く排出する工程で二酸化炭素を回収・利用・貯留する事業も注目されています。
セメント工場やバイオマス発電所など二酸化炭素を多く排出する工程でその二酸化炭素を多く回収し、
燃料として再利用したり地下貯留したりする技術です。
DACとの違いは、DACは大気中にある二酸化炭素を吸収して回収する一方、
CCUSは二酸化炭素を多く排出する点源から二酸化炭素を回収するところです。

二酸化炭素を大量に排出する限りは、今後二酸化炭素を回収する技術は進歩していくと考えられます。
DACは大気中の二酸化炭素を吸収していく技術になるので、コストや規模、効率の問題があると考えられます。
それでも欧米を中心に直接空気回収事業は推進していくと考えられます。
しかし二酸化炭素吸収・回収・貯留が排出を上回ることは大変なコストがかかるため現段階では困難な課題であると感じられます。