介護、医療現場でのパワーアシストスーツ

パワーアシストスーツとは、動力源の有無や種類にかかわらず、人が装着して、動作や姿勢に何らかのアシストが得られる機械を指します。装着することで大きな力を出したり、辛い姿勢を長時間続けることが可能となります。身近な例として、介護者がパワーアシストスーツを装着して要介助者を抱きかかえベッドに移動したり、重い荷物を運んだりする際に体力の負担軽減や腰痛を緩和することが出来ます。また高齢者の歩行支援やリハビリにも活用されています。パワーアシストスーツは、アシストスーツ、パワードスーツ、強化スーツなどとも呼ばれています。

医療、介護現場での利用範囲は様々ですが、概ね二つに分類されます。

・自立支援型・・・高齢者の歩行支援や脳卒中など、後遺障害のリハビリ目的に

使用されます。

・作業支援型・・・ベッドから車いすに移動(移乗介助)したり、入浴時、移動の

補助をすることで介護者の負担軽減を図ります。

現時点で、パワーアシストスーツとして、医療、介護のニーズに応えられるのは、四肢サポートスーツと腰背中サポートスーツの二種類があります。

・四肢サポートスーツ・・・手足の代わりを果たしたり、能力を高めたりします。

膝サポートスーツを装着すれば、体力をさほど使わず

普段より早く歩くことが出来ます。

・腰背中サポートスーツ・・・介護者が重いものを持ち上げたり、抱えたりして

腰や背中を痛めない為に装着したり、高齢者の腰

背中の矯正、直立時の筋肉のサポート、受傷後の

リハビリ目的に使用されます。

超高齢化社会と言われている現代、介護士の需要は高まっています。介護の現場は、要介助者に食事、排泄、入浴など、日常生活の援助やレクレーション、リハビリなど趣味や運動を提供する場で、その多くが肉体的、精神的に厳しいものです。特に年配の方、女性には重労働です。無理をすると介護者が怪我を負ったり、最悪要介助者が受傷したりしてしまう恐れがあります。また、介護者のスキルや能力の差によってサービスの質や量が異なってしまうことを防ぎ、安定したサービスを提供するためにも介護ロボットの導入は必要となってきます。