持続可能性を考えたものづくりについて考える

希少金属の使用を抑えた製品
有機ELテレビや車載電池などで、より希少金属を使わない仕様を目指した製品開発も進んでいます。
リチウムやコバルトなど希少金属は採掘可能な国・地域は中国やアフリカ諸国、ロシア、南米・北米諸国など一部の地域に限られています。
そうした事情と地政学的なリスクなどへの懸念も相まってメーカーなどは調達を熟慮しているといいます。
2030年を目途にEV化が大幅に加速し、2050年には先進国などで脱炭素化・カーボンニュートラル実現が目標として定められています。
世界的なEV化の需要を想像すると、EVの特に車載電池製造に使う希少金属が不足すると言われています。

ものづくりで最重要になる様々な仕様の電池の開発
トヨタ自動車が2023年6月に2027年あたりにEVの車種に全固体電池を投入する計画が大きく報じられました。
トヨタ自動車はそれ以外にもリン酸鉄リチウムイオン電池の開発・生産の計画も表明しています。
このリン酸鉄リチウムイオン電池は安全性が高いと言われています。
トヨタは他にもナトリウムイオン電池の開発にも着手しているといいます。
ナトリウムイオン電池は地球上に豊富にあるナトリウムを使うため、
希少金属の使用を抑えた次世代の車載電池として、中国の大手電池メーカーCATLが量産をして中国のEVの車種に搭載を始めています。
また従来のリチウムイオン電池の性能向上に向けても開発を継続していくことを表明しています。
電池の開発についてもトヨタは幅広く臨んでいく模様です。

新仕様の製品は従来仕様よりも性能を向上させることや、製造コストの低減、そして量産化が課題となりがちのようです。
希少金属は採掘量が限られてくると考えられます。
その中でグローバルでEVの生産・量産が加速することを考えると、希少金属を使わない・抑えた仕様の製品が、
今後技術として重宝される可能性が高いです。
欧州地域などは気候危機・温暖化の影響をいち早く受けているとも言われています。
そうした国や地域から気候変動・地球温暖化阻止、人の営みやものづくり、
インフラの脱炭素化へ向けてより厳しい提言がなされるのではないかと考えられます。