特許と知的財産戦略について

日本の特許出願はアメリカ、中国に次ぐ3位となっているそうです。
最近では特許の取得や戦略について、研究機関を抱える企業などは会議を設けて専門家のプレゼンテーションを受けたり戦略について話し合いをしたりしているといいます。
筆者は例えばノーベル賞を受賞した日本の大学教授などの研究者の先生が、日本の大学でも大学教授をはじめとする研究者が基礎研究に充てる時間と予算が足りないという提言をしているのをテレビで拝見したことがあります。

近年は、IT機器・ICT技術が成熟してきている状況です。
それらをうまく駆使して意見共有や情報共有や共同作業や、もしくは個人での学習や研究によって、既成の事実や状況を踏まえることもしやすくなってきているのではないかとも考えられます。
そしてそれらを踏まえての次の一手を考え出すチャンスが、あらゆる立場の人の知的生産活動の中に可能性として存在していると考えられます。

筆者が触れた友人の理系の大学院の人の研究活動の生活は、英語の論文の翻訳作業とその内容の発表、実験とパソコンを駆使した実験データの報告が主でした。
研究者や専門家の方が、基礎研究とイノベーション開拓の両立をするのは簡単ではないです。
ですがIT機器やクラウド・サーバーに情報を正確に記録していくことで知的生産の効率は上がるのではないかと考えられます。
データの応用も然りです。
筆者は知的財産をめぐる専門家と組織の責任者の立場の人が、プレゼンテーションを受けたり、話し合ったりすることは良いことであると考えます。

投資家の投資にもESG投資やSDGs投資といった、企業に圧力や提言をする投資の流れになってきていて、環境が変わってきていることを感じます。
原子力発電開発の凍結や、液晶などディスプレイメーカーの経営不振、スマホ産業向けの製造分野のスマホ売り上げ・需要減速などの影響によって、逆境に立っているものづくりも少なくありません。
そしてアメリカと中国の間の貿易の関税引き上げが、さらにものづくりの業界に影響を与えてゆきつつあります。
(2019年5月中旬執筆現在)

筆者は新しい発想やイノベーションにつながる何かを考えるには、どういう生活や環境が良いか、考え選択する知恵が必要であると考えます。
必要な知財を学ぶことと、知的財産を特許出願で得ることも、そしてそれらの作り出した・生み出したものを最大限生かす戦略も求められてきているようです。
情報を蓄積したり、それらを整えたり、整理して情報(データ)として成熟させる作業と、それらを踏まえて、しっかりと新しいことを考え抜くことなどを、うまくギアをかみ合わせて使い分けることが人の知的生産には求められていそうです。
情報を学び、情報を整理して成熟させてきた時、新しい何かやイノベーションにつながる何かが、目の前のほんの一歩として考え出され・編み出されてくるのではないかと考えられます。