重要なものづくり分野、半導体と自動車

ラピダス1nm品の共同開発
2023年11月下旬、ラピダスと東京大学は、フランスのレティという半導体研究機関と1nm級の半導体設計の基礎技術を共同開発することが報じられました。
ラピダスは本来、まずは2nm品の半導体チップの製造を目標に掲げています。
ラピダスはより次世代の半導体チップの設計・製造を目指して積極的に動いている模様です。

足元ではTSMCが2022年12月に3nmプロセスの半導体チップの製造を開始しています。
そしてTSMCの3nm演算半導体チップは米アップルのiPhone15ProシリーズとM3 MacBook Proシリーズに搭載され2023年秋に発売されました。
2023年11月執筆現在、TSMCの3nm先端半導体チップは米アップルに優先的に供給されているといいます。
3nmプロセスの最先端半導体の製造ができるのは台湾のTSMCか韓国のサムスン電子などであるといいます。
IBMの誘いを受けて立ち上がった日本のラピダスが本当に2nm品から生産・製造の軌道に乗せられるのか注目です。

日本の製造を支えるクルマづくり
2023年11月下旬執筆現在、為替円安の影響を受けて日本の自動車関連メーカー企業の業績が上振れしていることが判明しています。
また足元で国内で非製造業の業績を製造業が上回ったことも報じられています。
自動車を巡っては、欧州で基準を満たした合成燃料を燃料とする内燃機関車の製造が認められる等、規制の方向が修正されたりもしています。
飛行機やトラックなどの商用車、自動車など現実的にカーボンニュートラルを実現していくには様々な工夫が今後も必要となっていくことが考えられます。
カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることをいいます。
トヨタ自動車の水素エンジン車開発や、水素燃料電池車MIRAIだけでなく、
新たな環境に配慮された合成燃料そのものの開発や合成燃料使用車などの開発にもクルマメーカーが動き出していることも判明してきています。
燃料そのものがグリーン(もしくはブルー)で車両の走行時にもカーボンニュートラルであることを実現するには、
科学的な知見や機構や仕様の開発が欠かせないと考えられます。
合成燃料を燃料とするハイブリッド車を強みとしていく計画が明るみになってきているクルマメーカーも見受けられます。
水素燃料や合成燃料で内燃機関を駆動させ、その動力で電力を車載電池に供給もし、
プラグインハイブリッドのようにEVモードでの走行も可能にしていく、
技術的にいいとこ取りのハイブリッド車はもしかしたら存続可能な技術となるかもしれません。