インペラの現物スキャニング

インペラ羽根車の現物CAD化例
リバースエンジニアリングデータで流体解析や製品開発などに利用
インペラの現物スキャニング

インペラ羽根車は一種のタービンで、液体(一般的には水)を利用してエネルギーを生み出します。インペラと呼ばれる部分は、基本的には一連の羽根(ブレード)が中心のシャフトに取り付けられているディスクです。以下はその基本的な仕組みです。

  1. 液体供給:液体は通常、中央の穴(入口)を通じてインペラに供給されます。
  2. 回転:液体はそのエネルギーをインペラに転送し、それを回転させます。これは水車が流れる水によって回転するのと同じ原理です。
  3. エネルギー変換:インペラが回転すると、その運動エネルギーはシャフトを介して他のデバイスに転送され、例えば発電機を回すために利用されます。この運動エネルギーが電力に変換されることが一般的です。
  4. 液体排出:液体はインペラの外側の端から排出され、その過程でさらにエネルギーが回収されます。

この一連のプロセスは、一定の流量と圧力下で非常に効率的に行われます。インペラ羽根車はさまざまな状況で使われますが、最も一般的なのは水力発電です。他にも、多くの産業用ポンプや冷却システムでも使用されています。


形状による分類

1,オープンインペラ: これには前後にシュラウド(カバー)がなく、固定されたブレードがあります。簡単に洗浄できるため、固形物を含む流体に使用されることがよくあります。

  • 特徴: 側面にカバーがなく、羽根がむき出しになっている。
  • メリット: 異物を含む液体に適しており、メンテナンスが容易。
  • デメリット: 構造が弱く、高圧には不向き。
  • 用途: 汚水ポンプ、食品加工、化学プロセス

2,セミオープンインペラ: これは片面にのみシュラウドがあり、ブレードが固定されています。少量の固形物が含まれる液体に使用されます。

  • 特徴: 片側にカバーがあり、もう一方は開放されている。
  • メリット: 異物を含む流体に適しており、オープン型よりも効率が高い。
  • デメリット: クローズド型より強度が低い。
  • 用途: スラリーポンプ、産業用ポンプ。

3,クローズドインペラ: 両面にシュラウドがあり、ブレードを覆っています。清潔な液体を扱うための高効率で、一般的にポンプで使用されます。

  • 特徴: 両側にカバーがあり、羽根が内部に閉じ込められている。
  • メリット: 高効率で強度が高く、大流量・高圧に適している。
  • デメリット: 異物が詰まりやすく、メンテナンスが難しい。
  • 用途: ボイラ給水ポンプ、冷却水ポンプ、送水ポンプ。

4,シュラウド付きインペラ: シュラウドが付いているため、効率が高く、流体の流れをより均等にすることができます。

  • 特徴: 羽根の先端がリングで固定され、開放羽根(オープン)よりも剛性が高い
  • メリット: 同じ回転数・寸法でも高い揚程や圧力を得やすい。
  • デメリット: 複雑な形状で、鋳造・切削・バランス調整が必要。
  • 用途: 給水、冷却水、循環水。

5,タービン型インペラ: タービンのように流体を動かすために設計されており、高い圧力を生成するのに適しています。

  • 特徴: バッフルと組み合わせて高い混合性能を発揮。
  • メリット: 気泡を細かく分断(酸素溶解、反応促進)。
  • デメリット: 固形物含有系では羽根・ディスク摩耗に注意。
  • 用途: 化学・化成プロセス、バイオ・医薬、食品・材料、排水・環境設備。

6,プロペラ型インペラ: 船のプロペラに似ており、大量の流体を低圧で移動させるのに適しています。

  • 特徴: 比較的小径・高速回転で使用されることが多い。
  • メリット: 大容量槽でも効率的に撹拌可能。
  • デメリット: 気泡を細かく砕く能力が低い。
  • 用途: 化学・化学・水処理、バイオ・医薬、食品・飲料、環境・大型槽

7,ダイアフラム型インペラ: ダイアフラムが振動して流体を動かすタイプで、微細な流量制御が可能です。

  • 特徴: シャフト・羽根が液中に露出しない。
  • メリット: 高分子、細胞、結晶を破壊しにくい。
  • デメリット: デッドゾーンが発生しやすい。
  • 用途: 化学・化成品、医薬・バイオ、半導体・電子材料、環境・特殊用途

8,フレックスバーンインペラ: 柔軟なブレードを使用し、ブロッキングが少ないため、固形物を含む流体の取り扱いに適しています。

  • 特徴: 回転数・負荷に応じて羽根が変形。
  • メリット: 高分子・ゲル・スラリーを壊しにくい。
  • デメリット: 気泡微細化や顔料分散には力不足。
  • 用途: 化学・材料、医薬・バイオ、半導体食品・日用品、環境・水処理

インペラは材質や設計によってもさらに分類され、その用途は非常に多岐にわたります。適切なインペラを選択することは、期待される性能を得るために非常に重要です。

内部構造をCTスキャンで三次元データ化


インペラ羽根車,流体圧力上昇させる オープンインペラ,メンテナンスが容易 セミオープンインペラ,スラリーポンプ
インペラ羽根車,流体圧力上昇させる 簡単に洗浄できるインペラ羽根車 ブレードが固定されたインペラ
クローズドインペラ,ポンプで使用 シュラウド付きインペラ,高効率 タービン型インペラ,複数枚羽根構造
清潔な液体を扱うためのインペラ羽根車 流体の流れをより均等するインペラ羽根車 高い混合性能を発揮するインペラ羽根車

プロペラ型インペラ,大きな循環流を作り ダイアフラム型インペラ,往復運動させる フレックスバーンインペラ,羽根撓りがら流体押す
大容量槽でも効率的に撹拌可能インペラ羽根車 羽根が液中に露出しないインペラ羽根車 固形物を含む流体のに適するインペラ羽根車

流れ方向による分類

(1) 軸流インペラ

  • 特徴: 流体の流れが回転軸と平行に進む。
  • メリット: 高流量・低圧用途に適している。
  • 用途: 船舶のスクリュープロペラ、軸流ファン、排水ポンプ。

(2) 半径流インペラ(斜流インペラ)

  • 特徴: 軸方向と半径方向の両方の成分を持つ流れを生じる。
  • メリット: 軸流型と遠心型の中間的な特性を持ち、バランスの取れた性能を発揮。
  • 用途: 冷却塔ファン、排水ポンプ。

(3) 遠心インペラ

  • 特徴: 流体が軸方向に入って半径方向に排出される。
  • メリット: 高圧を生じることができ、流量と圧力の制御が容易。
  • 用途: 遠心ポンプ、ターボ圧縮機、燃料ポンプ。

軸流インペラ,シャフ方向送出す構造 半径流インペラ(斜流),中間方向に流れる 遠心インペラ,外側へ流体を送出す
スクリュープロペラ バランスの取れた性能を発揮するインペラ羽根車 流量と圧力の制御が容易なインペラ羽根車

 羽根形状による分類

(1) 後向き(バックワード)インペラ

  • 特徴: 羽根が回転方向に対して後方に傾いている。
  • メリット: 効率が高く、安定した動作をする。
  • 用途: 遠心ファン、ポンプの標準的な設計。

(2) 前向き(フォワード)インペラ

  • 特徴: 羽根が回転方向に対して前方に傾いている。
  • メリット: 小型で大流量が得られるが、効率はやや低い。
  • 用途: 低圧ブロワー、小型送風機。

(3) 放射状(ラジアル)インペラ

  • 特徴: 羽根が半径方向に対して直角に配置されている。
  • メリット: 高圧を発生させることができる。
  • 用途: 高圧ポンプ、産業用送風機。

後向き(バックワード)インペラ,後ろ側へカーブ 前向き(フォワード)インペラ,前方へカーブ 放射状(ラジアル)インペラ,放射方向へ押出す
ポンプの標準的な設計のインペラ羽根車 小型で大流量が得られるインペラ羽根車 半径方向に対して直角に配置のインペラ羽根車

このように、インペラは使用環境や流体の特性に応じて最適な種類が選ばれます。用途に応じたインペラの選定が、機器の効率や耐久性に大きく影響します。

 

事例ページに戻る